今週の金曜日から日曜日まで、京都で開催されたヒューマン・ライツ・ウォッチの
カウンシル・サミットに出席しました。東京に事務所が開設された8年ぐらい前から
東京コミッティーのメンバーとしてお手伝いしていた関係で参加しましたが、土井
香苗さんという一人の女性の熱い想いが大勢の人々を動かし、とうとうアジアで
初めて世界のHRWの幹部、スタッフ、リサーチャーが集まる大会議を日本で
開催するところまで至りました。
閉山後の清水寺を貸し切って、ほとんどの場合、非公開なところを
見物したり、レセプションを開催したり、普通、日本人でも体験できない
特別なイベントでした。
京都国立博物館も閉館後に貸し切って、レセプションを開催しました。
来年、カウンシル・サミットをホストするチューリッヒ・オフィスのスタッフが
笑顔で嘆いていました。「こんなに、ハードルを上げるなんて。。。」と。
こんな贅沢な空間でのイベントでしたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチの活動は
ガチンコです。世界の様々な人権問題に光を当てて、現地に入って証言を収集し、
フェイク・ニュースではなく、事実を暴くレポートを公開して現状の是正に努めて
います。
人権問題の加害者が政府など権力者の場合もあるので、レポートを作成する
リサーチャーは文字どおりの命がけです。自分の身を常に守ることを意識しながら
日々を暮らしています。なので、彼らの写真を撮って、SNSに上げるなどはNG.。
本当に彼・彼女らの勇気に頭が下がります。自分の身内でもない、知り合いでも
ない他人の人間としての尊厳を回復させるために命をかけているなんて。
某国で活動しているリーサーチャーとレセプションで立ち話しているときに彼は
こう言いました。 I just wake up in the morning, knowing that I am doing the
right thing.
すごい、です。 4人の子供もいるのに。奥様は心配じゃないですかと聞いたら
Yeah, but she supports meと言いました。それがなければ、できることではない、と。
そんな緊迫した日々を過ごしているヒーローたちが、ちょっと息を抜いてホッとできる
時間と空間を日本でご提供できたことは本当に良かったと思います。
会議のスピーカーで会場をもっとも動かして、スタンディングオベーションを誘ったのは、
ヒューマン・ライツ・ウォッチのリサーチャーではないですが、応援している香港の若者、
Joshua Wongでした。
One Voiceで、社会を変えることができる。14歳の彼は中国政府へ立ち向かいました。
現在は二十歳になった、Joshua。本当に勇敢な若者で感銘を受けましたした!
Dissident(反体制派)からReformer(改革派)へ。 どんな親が、どんな教育をして
育てたんだろう。
京都国立博物館では、池坊次期家元のライブ・パフォーマンスにも恵まれました。
バラバラによこたわっている花、葉、枝。これをどんどんと息を吹き込まれていきました。
お久しぶりにお会いすることができたのですが、お話ししながら気づきました。
生け花とは色々な花、葉、枝というダイバーシティからひとつの世界がつくられる
インクルージョンであることに。
日本人の感性に、ダイバーシティ&インクルージョンという人権問題の解決の核心に
なる大切なものが宿っているのですね。