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October 23, 2006

日本の美意識

2年ぐらい前にお会いした建築家・プロダクトデザイナーの
黒川雅之さんから頂戴した著書です。(お兄さんが有名な
建築家の黒川紀章さんですが、ご本人もNYのMOMA
パーマネントコレクションに選定されています。

20061023_biishiki

『八つの日本の美意識』
  
       『微』  
    『並』   『気』  
 『間』         『秘』  
    『素』   『仮』  
       『破』

 ・
 ・

『微』
微の美意識は、空間的にも時間的にも「点」を
大事にするのですから、「今」を大事にしよう、
「ここ」を大切にしよう、「この人」を大切にしよう
ということになります。

『並』
宗教はキリスト教も仏教もみんな含んで、
八百万の神くらいのものしか考えない。
生まれたときには神社にお参りに行き、
結婚するときは教会に行って、
死ぬときはお寺で葬っていただく。

『気』
広い原野を一人で歩いていたとする。
そこに一本の木があったら、たとえ
それが枯れ木であっても旅人は間違いなく
そこに寄りかかってその夜を過ごす。
心を落ち着かせ、安心させるもの。

『間』
世界は連続的につながった一つのものです。
部分の集合ではありません。にもかかわらず、
人々は不安を解消するためにその連続的な
世界の、ある部分をラベリングしたり、グループ
わけしようとします。名前がないと不安なために、
顕著に高いところを山、低いところを平野、
くぼんだところを谷と名づけただけ。
山と平野と谷をつないだら世界ができるのではない。

『秘』
秘とは人の心に働きかけて、その想像力を刺激して、
その気にさせる仕掛け。大切なのは分からせるではなく、
知る気にさせること。一から十まで正確に知らせること
ではなく、相手が自分でその世界に入り込み、
知ろうとするように仕向けることです。

『素』
人間が自分を誇るのではなく、自然に対して謙虚に
なること。素とは、そのようにできるだけ手を加えない
ということです。

『仮』
そこから必然的に仮の人生、仮の姿、生きているのも
死ぬのも、みんなたまたまそうなのだということ。
そして、明日はまた違うよということを、当たり前に
認めようという考え方です。

『破』
その道を極めるために、伝統的な型を自分のものに
するため、修練に修練を積まなくはならない。そうして、
もうこれ以上どうすることもできないというギリギリの
ところまできたとき、その伝統的な型を破り、自分の
工夫を取り入れてみる。そして、それをさらに発展
させることで、自分独自の新しい世界を見つけること
ができる。

いつか、日本の美意識に基づいた運用会社を造りたいです。
そうしたら、世界一美しい運用会社になれることでしょう。

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Comments

紅葉の美しい季節となりました。お元気でお仕事されてるようですね。四季のあるこの美しい国で繊細な美意識の感じられる運用会社をお作りなられる日を楽しみに、これからもブログを拝読させていただきます。一ファンより

うらまま様、

ありがとうございます!

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