医療の質と評判とおもてなし
医療の「質」の向上は、単純に、医者の数を増やす
という「量」で解決できるものではないということは
当たり前です。低質な医者を増やしたら、返って問題を
引き起こす可能性が高まります。
また、ある程度、医療界にもある程度の競争が必要
ではないかという議論があります。ただ、競争の原理
の基本は「質」だと思います。
しかし、ここにおける根本的な問題は、患者側が医療の
「質」の違いがわからないということではないでしょうか。
ある病院で事故があったりすれば、ネガティブ・スクリー
ニングによる質の選別はできるのかもしれませんが、
そのような極端な出来事がない限り、患者側の「質」の
判断は、口コミや看板などによる「評判」しか材料として
使っていないことが現状でありましょう。
もちろん、サービス産業である上、医療の評判は大切です。
Hospital【病院】とHospitality【おもてなし】に同じ原語が
あることは偶然ではないと思いますが、医療界に「おもてなし」
を提供する風潮も、求める期待も少ないと思います。医療の
「機能」(ほとんどの場合や、薬・・・?)を提供し、期待している
次元に留まっています。
恐らく、医療「サービス」を考える上で、これが問題の根源
かもしれません。
Comments
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>医療界に「おもてなし」を提供する風潮も、求める期待も少ないと思います。
これは、サービス云々以前に医師不足、偏在という目先の大問題を抱えているからでしょう。
使命感だけに支えられて、低い給料で奴隷のように働く勤務医が大勢います。彼らに、更に「おもてなし」まで期待するのは酷ではありませんか。
いつも面白く読ませていただいていますが、今回の記事については非常に残念です。
Posted by: リッロ | February 24, 2009 01:01 AM
医療現場において、サービスの質を考える前に、医師不足を考えなければなりません。そうでないと、適切な競争が起こりません。競争ないところにサービスの質の向上は望めません。
まず、海外で執刀している日本人医師は、たくさんいるのですから、外国人医師を日本も認めるべきです。多少なりとも医師不足の解消になるのでは。このことは、日本人医師にとっても良い刺激なるのでは?
あと、サービスの向上に力を入れている病院もあります。残念ながら、こういう病院とそうでない病院の診療報酬は一緒です。
診療報酬体系においても、努力している病院が報われるものにしないと、日本の医業におけるサービスの質の向上は望めないでしょう。
Posted by: ひょいひょい | February 24, 2009 10:57 PM
医療の「質」を測ることが出来るモノサシ的なものがあればいいですね。
「質の高い医療」を提供することが、お医者さんの「サービス」ですよね。
渋澤さんはなにも、お医者さんに「お愛想」的な「サービス」をと仰っている訳じゃないですよね。
私は幼い子を持つ母ですが、この「質の高い医療」いえ「質の低くない医療」を提供してくれるお医者さまが多くないことに驚きます。
最低限の「サービス(質の高い医療)」をちゃんとして欲しい! プロなんですから。
口コミや看板だけでなく、科学的にはかったモノサシの計測結果が、医院の入り口に書いてあったらいいのになぁと思う今日この頃・・・
Posted by: KCN | February 25, 2009 03:43 AM
わっ! 議論を沸きたてようですね。
皆さん、コメントどうもありがとうございます。
ちょっと書き足らないところがあったので誤解も
招いたようでごめんなさい。
リッロ さん、
勤務医の勤務状況は、おっしゃるとおりだと思います。
私が言いたかったことは、「おもてなし」で接して
くださるお医者さんが報われない制度や風潮(モンスター
ペーシェント現象もあるようです。)が根本的な問題
だと思っているということです。
私の長男が数ヶ月のとき、菌の感染で入院しました。
色々な抗生物質で治療しましたが、全然効力が
ありませんでした。
親として、もちろん、疾患を治療してほしいという
医療の「機能」を求めました。
ただ、初めての子を失うかもしれないと動揺している
親にとって大変頼りになったのは先生らの「おもてなし」
です。「インフォームド・コンセント」です。
また、おっしゃる「使命感」も、私では広義的に「おもてなし」、
「医療サービス精神」に入ります。
おかげさまで長男は回復し、今では元気な小学生です。
先月、鉛筆のキャップを吸い込んで気管に入ってしまって、
また病院にお世話になりましたが。。。。(待合室で、
咳き込んだら、出てきて、今度は飲み込んでしまいました・・)
「おもてなし」をいただいた先生に、お礼の手紙を書かせました。
ひょいひょい さん、
なぜ、単に、医者の「数」の問題ではないかと思うと、
リッロ さんがご指摘のように勤務医が自分自身の「生活
の質」を高めるため、数多くが開業医へと流れて行くことです。
また、(ワーク・ライフバランス的に)割合が良い専門に
医者が流れる傾向もあります。
医者の「数」の問題として片付けるだけではなく、「配分」の問題も考えるべきだと思っているのです。
また、日本に外人医師がいないことは、先日、副委員長
として携わっている経済同友会医療制度改革委員会で、
私も問題視しました。
KCNさん、
そうですよね。
理事としてお手伝いしているNPOは、その医療評価の
研究をしています。
また、臨床医学の教育事業も熱心です。
http://www.i-hope.jp/2007/09/edu_09.html
患者さんのために学ぼうと向上精神が高い若手医者が対象です。
私が医療「サービス」という考えにたどり着いたのは、
臨床現場をユーザーとした体験、また専門家のお話を聞いて感じたことからです。
昨日、ある経済誌から、地域医療の第一人者である先生と
対談の提案がありました。先生が私が思う「医療はサービス
(おもてなし)」にどのように反応されるか楽しみです。
Posted by: しぶさわ | February 25, 2009 10:53 AM