AIJ事件の衝撃で受けて、独立系運用会社が団結してメッセージ
を発することが大切ではないかと、草食投資隊(藤野、中野、渋澤)
とI-O ウェルス・アドバイザーズの岡本和久さんと二週間前の
朝食会でブレストした結果、本日、早朝シンポジウム「ファンドの春
~ いまこそ問われるべき運用の質」の開催に至りました。
国会議員が参加しやすい早朝の時間帯にシンポジウムを設定し、
議員、運用会社、有識者にお呼びかけしたところ、、、短期間で
これほどの方々にご参加いただけとは感慨深いです。みなさまの
ご参加、ご協力に感謝です!

各氏の主なご発言の趣旨は下記のとおり:
【司会進行】
岡本和久 『長投資教育家』
I-O ウェルス・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
改善は2点。運用側のプロ意識(倫理観を含む)。投資家の
教育は共有側の知識だけではなく、需要側の意識も大切!
【国会議員】
岸本周平 衆議院議員 民主党
主計局で年金の担当していた。高度成長時代の政策誘導
(5.5%の予定率)がまだ残っていたことが問題。今回の
事件で、ただ規制すれば良いということではない。
木内孝胤 衆議院議員 民主党
党内のプロジェクトチームの事務局。悪い方向への危機感。
資産運用を知らない方は監督を厳しくしろと感情的に言う。
効率的かつ安定した運用だと国債への投資を高めるべし
ということを心配している。リスクマネーが回らなくなる。
西村康稔 衆議院議員 自民党
①事件で規制に走りがちになること、②厚生年金金の構造的
な問題。膨大な情報で監視しろ、と言っても無理がある。情報
開示の適格化。分散投資を規制化することは反対。自由に
運用すべし。厚生年金基金の構造問題をこれから議論。
零細基金を束ねる構想もあるのでは。
【独立系運用会社代表】
安東泰志 『PEファンド』
ニューホライズン キャピタル株式会社 取締役会長兼社長
「多様性」 リスクマネーを供給する代替的投資の必要性。
Fidcuciary Dutyの体制。代替的投資への偏見を排除(進める
べき)。独立系運用会社への偏見の取り除くべき(育成すべき)
江原伸好 『PEファンド』
ユニゾン・キャピタル株式会社 代表取締役
「Timely&Transparent」 金融を理解していれば、しっかりした
考えがある一方、知らない方々が多い。どのように理解して
いただくことが大きな課題。コミュニケーションをきちんと取る
ことが運用会社側で必要。
地引道夫 『年金資産運用オルタナティブ投資』
アマデウスアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長
「寡占?大尊小卑」 フェアな金融ベンチャーが活躍できる
環境を整えるべき。ファンドを買ってもらうこと(証券会社)の
勧誘ではなく、資産運用を託すことの勧誘。
渋澤健 『長期投資・投信』
コモンズ投信株式会社 取締役会長
「体質の改善」 貿易大国から投資立国へ。世界の成長を
家計に取り組むことが必要。資産運用の進化が必要。
進化のために多様性が必要。多様性を促進するのは
独立系運用会社。
中神康議 『バリューアップファンド』
あすかコーポレイトアドバイザリー株式会社 代表取締役社長
「プロフェショナルサービス産業」 知識格差により、きちんと
価値を提供することが課題。独立系運用を社会全体で育てる
ことが必要。もちろん、きちんとパフォーマンスを出すことが必要
中野晴啓 『長期投資・投信』
セゾン投信株式会社 代表取締役社長
「独立系の存在意義」 日本は系列の大手の寡占。世界の大手
は、独立系。しがらみがない、アンチテーゼであることが独立系
の特長。今回は、刑事事件であり、独立系の問題ではない
藤野英人 『長期投資・投信/投資顧問』
レオス・キャピタル・ワークス株式会社 取締役CIO
「選択の自由」 本来は、詐欺。刑法罰を高める。一方、日本
国民の意識が高まっているときに日本の資産運用の問題を
解決すべき。メディア、USTを使っているということは透明性を
高める意気込み。運用規模に伴う責任があるので、規模に
よって規制を高めるべき。
宮内誠 『不動産ファンド』
株式会社ビーロット 代表取締役社長
「人様のお金を運用する重要性」 世論が一番気になる。が、
独立系運用会社の命運は、投資を失敗すれば退場すること。
しかし、非独立系運用会社、投資責任者も人様のお金を
任されているが、退場する仕組みになっているのか。
森本紀行 『年金資産運用』
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
「報道の良識」 22年間年金運用に携わった身として怒りを
感じる。全260社への調査。まるで、業界全体の問題である
という誤認を与えた。どのような制度があっても、犯罪は残る。
山内英貴 『ヘッジファンド』
株式会社GCIキャピタル 代表取締役
「投資立国日本」 新興運用会社、新陳代謝が必要。世界の
大手でも四半世紀前は独立系。系列系運用会社は本体から
切り離すということが世界の潮流。ふたつのガバナンスがある。
ファンド側のけん制。運用会社のCG、悪意の排除
【有識者】
原田武嗣
日本CFA協会 総務担当執行理事、倫理教育チェア
業を担う個人個人の質(倫理など)を高めることが必要。
プロフェショナルとして受託者責任の徹底に尽きる。痛みを
忘れずに将来の旅への燃料にしなければならない。
大崎貞和
野村総合研究所 研究創発センター 主席研究員
金融庁の監視委員会は多大な情報処理の中、良くやった方。
監視体制を高めるコスト・ベネフィットも考えるべき。独立系は
「良いんだ」と叫ぶだけではダメ。独立か、非独立でもめるべき
ではない。受託者責任の規制強化の心配。
門多丈
カドタ・アンド・カンパニー 代表取締役社長
独立系というが、アセットマネジメントの「独立性」は、当たり前
のこと。受託責任。託す方(運用の体制のデューデリジェンス)
託された方(内部統制、オペレーショナルリスクを開示する義務)
堀江貞之
野村総合研究所 金融市場研究室 上席研究員
ユーザーサイドの専門性が必要。専門性のためには規模が必要。
日本には1万の基金がある、ほとんどが零細。束ねてサイズを
つくるべき。
皆さんのコメントの詳細は、下記の録画をご参照ください!