コモンファンド
今朝の日経新聞朝刊で米国で大学の資金を共同運用する
「コモンファンド」の記事が載っていました。長年、注目して
いた存在ですが、その理由は顧客層が自己の専門スタッフを
十分に賄うほどの規模がない大学基金であり、私が財団の
運用のかかわるようになった10年ぐらい前にこのニーズに
痛感したからです。
「コモンファンド」が設立されたきっかけに、フォード財団が
助成した研究で、1969年に発表されたたThe Law and
the Lore of Endowment Fundという基金運用の「バイブル」
があります。この報告書で、当時の大学基金が単年度の
配当や金利収入の「Current Yield【直利】」だけを重視して
いることを問題視し、配当・金利収入と元本損益を合わせた
「Total Yield」で運用を考えるべき、そして、運用は、基本的に
外部専門家に任すべきと指摘しました。
このような考えを日本の財団基金の運用に応用しようと
働きかけたのですが、なかなか理事会などの理解を得ること
が難しい状況が続きました。元本リスクに消極的なこと、そして、
運用という「サービス」に対してフィーを支払うことの心理的抵抗が
原因です。(日本国内の期待リターンが低いので、フィーを払うと、
何も残らない恐れがあるということも大きな原因ですが)
この研究を踏まえて、フォード財団は大学基金専用のコモン
ファンドの設立に助成しました。そういう意味でコモンファンドの
ユニークは特徴は、「非営利」の運用会社であるということです。
もちろん、コモンファンドに勤めている専門家はボランティアでは
なく、きちんと給料をもらっています。しかし、会社の収益は
株主に還元するのではなく、資産運用の研究や出版活動に
使われて社会へ還元されています。
コモンファンドの存在に感銘を受けていたこともあり、コモンズ投信
を命名したときに、ふとコモンファンドのことが頭によぎりました。
Common(共同)という同じ意味が含まれています。名前が似て
いるけど、アメリカにある運用会社だから良いかなと思っていた
のですが、新聞記事によると「日本版コモンファンド」の話もある
ようです。 おっと。。。