現在、「新しい資本主義」を考える勉強会に二つ参加しています。
その議論の中で、私が特に関心を持っているのは、「時間」という
観点から資本主義を考えることです。コモンズで取り組んでいる
長期投資とは、「時間」を資源、それも、何もしないと劣化する基調
な資産として認識する投資だと思っています。
普通の投資家や株主は、時間が経って成果が見えないとイライラ
します。でも、真の長期投資家は、成果が目に見なくても、それは
何もしていないことではないということがわかっています。
また、古典的な資本家階級と労働者階級の資本主義の考えでは
前者が後者の時間を「買っている」ということになります。ただ、
資本家は、その買った時間を何に使っているんだろうという問いかけ
が本日の会合でありました。
スワヒリ語で「歩く」という言葉が二つあるようです。
サファリとは、目的に向かってあるくこと。
一方、テンベアとは、ただ歩くこと。
今までの資本主義はサファリ型で、目的に向かって時間を効率的に
使うことを目指していました。では、テンベア型の資本主義ってあるの
でしょうか。目的なし時間を使って、ただ歩くだけでは無駄に見えます。
でも、その「無駄」には今を楽しむ要素、また、環境がダイナミックに
変化する世の中では、無駄と思っていたことが成果となり、未来を拓く
可能性の要素も潜んでいると思います。
「新しい資本主義」なんて考えるなんて「無駄」であれば、それは、
それで色々な可能性が潜んでいること言えるでしょう。
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