猛スピードのときの足元視線は危険
日本人は多神教のはずですが、「インフレ」「デフレ」という話になると、
なぜか、一神教に分かれる傾向があります。
デフレが悪だから、その逆のインフレが単純に善にならないですし、
インフレが悪だからデフレが善にもなりません。
ただ、言えることは、デフレの場合、動かないことが合理的でした。
入ってくる給料をそのまま預金にしておけば、物価が安くなります
から。また、賃金が上がらないのに、物価が上がるようであれば
生活が苦しくなります。
一方、インフレの場合、動くことが合理的です。預金のままにして
おくと、その現金の価値は下がってしまいますので、他の資産に
変えるか、消費することが合理的です。金融政策が理論的に
ワークするには、消費者・一般個人が合理的に動くことが大前提
になります。
現在の異なる次元の金融政策の「出口」など現在考える必要が
ないという主張もときどき聞きます。まァ、今の景気付けは大事で
将来が予測できるわけないので確かにそうかもしれませんが、
結構乱暴ですね。アクセルを踏み込んで猛スピードを出している
時は、足元だけ見ているとかなり危険ですね。目を開いて先へ
遠くまで視野を広げるべきではないでしょうか。