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August 24, 2013

アベノミクスの成功・失敗の尺度

アベノミクスの成功・失敗の尺度として、日本株式市場の動向が注目されることが
一般的です。確かに、アベノミクスの発動で株式市場が急上昇したので、重要な
尺度であることには間違いありません。ただ、家計の現預金保有残高という尺度も
見落としてはならないと思います。

日本銀行の資金循環統計の2013年3月末の速報によると、家計の金融資産は
1570兆円であり、微増の傾向です。これは、もちろん良いことですが、現預金の
保有残高も850兆円と微増しています。これは、実は、良いことではないと思います。

現金は「ストック」ですが、現金のままでは「ストックを産まないストック」です。
アベノミクスが成功する、つまり成長戦略がワークするためには、現預金という
ストックを産まないストックが、その他のストックを産むストックへ移行していることが
重要です。

株式市場が上昇しても、日本の家計が現金を保有し続けているということは、他が
株式市場の恩恵を受けているということになる機会ロスです。日本の莫大なストックが
ストックを産まないままに残っているということは、決して成功とは言えません。株式
市場の上昇だけでは、アベノミクスの成功とは言えないはずです。

もちろん、株式市場が上昇するということは、企業業績の回復(→いずれ、賃金アップ
の期待)、保有している保険や年金から家計が間接的に恩恵を受けます。ただ、
インフレの「期待」が実際に物価が上昇するインフレになった場合、家計金融資産で
現預金の比率が高いままでは、資産の価値が実施的に目減りしていることになります。

日本の家計の現預金の比率が高いのは、未来への不安が多いからです。未来は
明るいというマインドセットを日本人に植え付けることがアベノミクスの成功である
という意味では、今後の家計の現預金残高の動向がカギです。

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