A. マネタリーベース平均残高(前年比)
B. マネタリーベース平均残高/うち 日本銀行券発行高(前年比)
C. マネタリーベース平均残高/うち 日銀当座預金(前年比)
のデータを比較してみました。
1989年12月(バブルのピーク)
A. 12.6% 40.7692 兆円
B. 11.6% 33.2852 兆円
C. 26.2% 4.4941 兆円
A.マネタリーベースと同じぐらいのピッチでB.日銀券が伸びていることがわかります。
実体経済で「お金」がそれなりに循環していたといえるでしょう。
ただ、C.日銀当座預金のペースのピッチの方が早く、金融機関が日本銀行に無利子
で預けているということは、「お金」が行き場所を失い始めて余っているということが
わかります。ただ、金額ベースでは日銀当座預金は日銀券の発行高より遥かに少ない
水準です。
一方、2012年12月(アベノミクスが実行される前)
A. 11.8% 131.9837 兆円
B. 2.8% 83.8665 兆円
C. 36.5% 43.5567 兆円
A.マネタリーベースはバブル期と同じぐらいのペースで伸びています。
ところが、B.日銀券は伸びていない。つまり、実体経済でお金が循環していません。
そして、C.日銀当座預金が大幅に伸びていて、お金が既に余っている状態を示して
います。日銀当座預金残高も日銀券残高の半分以上に達しています。
そして、2013年9月 (アベノミクスが実行された後)
A. 46.1% 181.7012 兆円
B. 3.4% 83.3865 兆円
C. 139.2% 93.7486 兆円
一本目の矢の「大胆な金融政策」により、A.マネタリーベースが急増しています。
しかし、B.日銀券はやっとちょっと伸び始めたぐらい。
そして、C.日銀当座預金の伸び率から、経済社会が使えていないお金の余り方が
深刻と言っても過言ではありません。日銀当座預金残高も日銀券残高を超えて、
マネタリーベース残高の半分ぐらいを占めています。
日銀券の伸び率が高くないので、インフレのリスクは低いと現在は言えるかもしれ
ません。
ただ、本来、マネタリーベースとは世の中に出回っているお金の総額であるマネー
ストックの素になるといわれています。世の中に出回っているという意味では、
金融機関や中央政府が保有する預金などはマネーストックの対象外であり、一般
法人、個人、地方公共団体・地方公営企業の保有する預金が含まれます。
しかし、現状は、マネタリーベースの半分が中央銀行である日銀が保有しています。
まったく、マネーストックの「素」になっていないことが、現在のアベノミクスの金融
政策の現状です。
Don't Worry。 インフレ期待が高まるだけで良いのさ、という言う「専門家」が
少なくありません。でも、何か変と思いません?
この数字を見ているだけではどう見ても価値創造から生じている「お金」には
見えません。 まるで、史上最大のマネーゲームになってますね。