美 「見えないものをみる」
財界人文芸誌「ほほづゑ」の同人として私が大変お世話になっている
資生堂名誉会長の福原義春さんの新作です。
心に残る言葉がたくさん入っている名著で
たくさん、赤線を引きました。
たとえば、
日本中、いや世界中の人々が、本物の
価値を見失って久しいと思えてならない
のである。
なぜそうなったか。それは、価値と価格の
関係を混同してしまったからだ。
日本人は、見えないものを心で感じる
美意識や感性を、本来持っている。
また、分野が違うもの同士の中に
アナロジー(類似)が見えてくる。すると、
どういう分野であっても基本的な普遍性
というのは変わらないことがわかり、
その普遍的な原理で、また違った分野
のことがわかってくることも多い。
過去の知的資産に触れることの目的は、単に過去を知るためだけではない。
何よりも、未来を考えるためだ。
文化とは、よりよく生きようとする人間の想像的行為、目に見える過程のこと
である。人間というのは古来、つねにいまよりいいものを作りたい、いい生き方を
したいというふうに「よりよい明日」を考え、努力を続ける存在である。
誠に僭越ながら、これらは、自分が日々感じていることとコモンズ投信を立ち上げた
理念と親和性が高いと思いました。
「今日よりも、良い明日のため」、世代を超えて進化し続ける会社には、数値化
できない、非財務的な「見えない価値」があり、それを「見える化」することに
務めることがコモンズの存在意義だと思っています。