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March 23, 2014

GEの「見えない価値」

事業環境が変化しても、持続的な価値創造を成し遂げる企業は『進化』している。
そのような企業に投資することがコモンズ30ファンドの投資理念です。

しかし、実際のところ、特に過去の功績を誇る大企業が、どのように進化できる
のか。その観点から、GE(ジュエネラル・エレクトリック社)という企業はロール
モデル的な存在ではないかと以前から思っていました。電球の製造と電力発電を
起業の起源とする同社は1892年に設立され、戦後にはジェット機エンジンから
冷蔵庫など白物家電やテレビなどで事業拡大し、現在ではヘルスケアやグリーン
エネルギー事業へと時代の変化を応えながら進化しています。そして、その
過程でTVやプラスチックなど過去の主力事業から撤退するという経営決断を
下している。

持続的価値を創造する企業は社史のアーカイブ化に積極的に取り組んでいると
いう指摘が専門家からありますが、これについて同社の意識が高いということは
History - GE.comで一目でわかります。

米株市場の指標としてお馴染みのダウ・ジョーンズ・インデックスが設定された
1896年(当時は12銘柄)で、現在、残っているのはGE社のみです。
まさに、時代の潮流を乗り越えている証ですね。

このようなグローバル企業が大事にしていて、時代を超えて進化を成し遂げた
基本は何か。これは、コモンズ的にいえば、財務的な「見える価値」ではなく、
非財務的な「見えない価値」が企業が進化して持続的な価値創造を可能に
しているということです。

これについて教えてくれたのが、経済同友会「論語と算盤」経営塾を通じて
お付き合いいただいている安渕聖司さんが新作、「GE世界基準の仕事術」です。

20140323_ge_2

.
色々とGEについて、経営について
示唆に富む内容が詰まっていますが、
特に目を引いたのが「グロースバリュー」
というGEが大切にしている価値観です。

安渕さんによると、GEでは人材の評価
基準となるのは業績だけではなく、
グロースバリューも重視されているよう
です。

この双方を重視して評価する理由は、
長期に渡って持続可能な会社にしたい
からです。

まさに、業績が「見える価値」だとすると
グロースバリューはGEの「見えない価値」
だと思いました。


.


そのグロースバリューとは下記になります

・外部志向 External Focus
・明確でわかりやすい思考 Clear Thinker
・想像力と勇気 Imagination & Courage
・包容力 Inclusiveness
・専門性 Expertise

そして、その「見えない価値」であるグロースバリューを支えている土台が「ゆるぎない
インテグリティ」だそうです。つまり、素直な姿勢がなければ、その上に立てる価値は
いずれ、崩れ落ちてしまうということでしょう。

確かに、下記の功績にしがみつくということはこれらのの価値観を軽視している病症
であるといえると思います。大企業のみならず、中小の組織団体であっても、これは
新しい時代に向かって未来を自ら拓く、基本中の基本です。

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