空想通貨の価値と信用
日経CNBCのヴェリタストークのコメンテーターとして登板させていただいて
いますが、今回は3月から就任された今川編集長と初めてご一緒しました。
月曜日の収録・放送で、何についてコメントしなければならないことが
わかるのは日曜日の朝に自宅に届くヴェリタスの表紙を見たとき。
いつも、テーマが何になるかドキドキしていますが、今回は声を失いました。
テーマは、「リアルを揺さぶる仮想マネー」
いや~ 揺さぶられました。 ビットコインなんて使ったことないし。
仕組みも、どのように発行残高が決められるとか、どのようにマイニング
(採掘)できるのか、良くわかっていません。
ただ、改めて、マネーについて考えることができました。
「価値の尺度」という意味では、ひとつ存在すれば十分なので、仮想マネーの
必要性は感じません。
「交換」という意味では、Eコマースを通じて商品・サービスを購買する際には
現金より、むしろ電子マネーなど仮想化したもの方が便利です。ただ、その
「交換」を担保するためには価値を裏づける信用が重要です。
そして、「価値の保全」。 そういう意味では、通貨の価値とは需給関係で
左右されますが、もともとの本質は発行体の信用にかかわっています。
国の信用がその他の発行体の基盤になっていることが今までの常識です。
ただ、これから、一国の信用より多数国で活躍するグローバル企業の信用
の方が高いという状態はありえます。 そして、国や企業より、「しくみ」の
信用の方が高い世界は、想定外ではない世の中になったということを
示しているのではないかと思います。