すべての国民が使える 「確定拠出年金制度」を求める
メンバーとして参加していた『すべての国民が使える 「確定拠出年年金制度」を求める
有識者会議』は、今月の一日に提言を提出し、三日に東京証券取引所の兜クラブで
記者会見を行いました。
【提言内容】
より多くの人が使える
「現行の個人型確定拠出年金の加入対象者を20-60歳のすべての国民に拡大する」
わかりやすい
「所得控除方式から政府上乗せ拠出方式に変更し、投資成果は非課税とする」
提言の全文は→ < こ ち ら >
現在の個人型確定拠出(DC)年金では、支払う掛金は全額所得控除(対象となるほか、
給付金を年金で受取る場合には「公的年金等控除」、一時金で受取る場合には
「退職所得課税」が適用されます。
しかし、加入可能者のわずか0.5%しか加入していないということは、年末調整など
会社任せの日本人は確定申告という還付の「見える化」に慣れていなく、所得控除は
加入の強いインセンティブになっていないのかもしれません。一方、多くの日本人は、
目の前に見えるお金に弱い。(だから、毎月分配型投信が爆発的に売れる商品に
なるのでしょう。)
所得控除は政府にとって税収入減になり、政府上乗せ拠出は政府にとって財政支出に
なります。両方とも、財源は政府の借金、すなわち、国債です。加入者ごとの財政負担は
同じか、やや政府にとって負担が増えないと考えました。もちろん、加入者の数が増えれば、
そうとも言えないと思いますが、それは「足し算・引き算」の勘定に過ぎません。
掛け金が、元本保証型ではない、つまり、(元本割れのリスクがありながらも)成長資金へ
流れるということは、いずれ、税収入増につながるのではないでしょうか。
日本の家計の1645兆円の内、保険金・年金準備金は27%ぐらいです。一方、米国とユーロ圏
の家計は32%ぐらいです。日本国民は、保険が大好きなので、この5%の差は年金準備金で
あると推測できます。
たった、5%ですが、1645兆円にかけると85兆円という莫大な成長資金の財源になりえます。
シナリオの精査は必要ですが、賛否が分かれると思いますが、少なくとも検討する余地が
ある制度の提言だと思っています。