アクティブラーニングの時代
先週の木曜日に初めてお会いした教育ジャーナリストの山内太地さんの
教育改革のお話しがあまりにも面白かったので、会合中に共作の著書を
アマゾンで注文し(同じ夜に配達を受け取り)、本日、福岡からの帰りに
一気に読みました。
世界の時代の流れにやっと対応するように
2020年度から大学入試が変革されます。
従来の受動的な教育スタイルから、主体的・
共同的に学ぶアクティブラーニングの導入
が前提とされるのです。
受け身で教わることが学ぶ習慣になってしまうと、
自分で考えて行動するのではなく、指示待ち
モードの人間になってしまう恐れがあります。
これは、仕事があった高度成長時代では適応
できたかもしれませんが、仕事をつくらなければ
ならない現在では役に立たない人材を世に
出してしまうことになります。
それに対して、アクティブラーニングの場合、
「同じ体験をしても、そこで気づくこと、感じることは人それぞれ異なります。
ですので、自分の感想を仲間と話し合い、お互いに聴き合い、交流し合う
ことによって、視点の幅を広げ、多様性に対する許容度を高めていくことも
重要です。 正解は1つに決まっているわけではなく、人の数だけ感じ方、
受けとめ方は異なるのが当然で、人の数だけ「真実」が存在するのです」
という著者の主張。これは、まさに私が主宰している「論語と算盤」経営塾
が目指すラーニング・スタイルと似ています!結構、先進的なラーニングを
この8~10年ぐらい取り組んでいたんですね。 へへ。(^^)
今までの高度成長時代では「正しい答え」を求める教育で構わなかった
でしょうが、これからの時代では「正しい問い」が必要だと思っていました。
正しい答えの時代であれば、レクチャー形式の学びでも良いかもしれません。
しかし、正しい問いを目指すのであれば、双方的な対話が大事です。
また、教育の改革をいくら語っても、教育の「出口」、つまり日本の大企業の
人事慣習が新卒一括採用、年向上列、終身雇用に留まるようでは、絵に描いた
餅であると思っていました。
著者も同じ結論に至っているようです。
「企業の雇用形態が、多くが終身雇用、年向上列である限り、企業は大学教育
の中身ではなく、大学名のブランド、偏差値、受験までにどれだけ努力してきて
いるか、基礎学力が高いかといったことを重視し、大学の専門性や、大学に
入ってからどう本人が学び、成長したかは、大きくは問いません」
企業が変われば、教育も変わる。
教育が変われば、企業も変わる。